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夜咄
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夜咄(よばなし)とは、炉の季節の、冬至に近い頃から立春までの間、夕暮れ時から行われる茶事のことです。
夜咄は、夜会ともいい、午後五時から六時頃の案内で、露地では灯篭や露地行灯に火を灯し、客は手燭で足元を照らしながら腰掛に進み、迎付のとき亭主と正客は手燭の交換をします。
茶室では、短檠や竹檠、座敷行灯が使われ、点前や拝見のときは手燭を用います。
夜咄は、初座の挨拶のあと、とりあえず寒さをしのぐため前茶(ぜんちゃ)といって、水次や水屋道具で薄茶を点てます。
拝見の所望はせず、正客以外は「おもあい」でと申し出て、一椀で二人が頂き早く済ませるようにします。
その後、初炭、懐石、中立、濃茶、続き薄茶の順に進められます。
『茶道筌蹄』に、昔は日没前に露地入りし、中立になって灯を点したが、今では暮六ツ時(陽が沈み、まもなく宵闇に包まれる夕暮れ時。およそ冬至では午後5時頃、立春では午後6時頃)よりはじまるとあります。
夜咄は、昔は掛物や花を飾らなかったが、利休が飾るようになり、暗いので掛物は大きな字のもの、花は白花がよいとされます。
また、花の替りに払子や如意などを掛けることもあります。
夜咄は、茶事のうちでも最も難しいものとされ、宗旦は「茶の湯は夜咄にてあがり申す」と教えていたといいます。
『茶道筌蹄』に「夜咄 むかしは晡時より露地入せし故、中立に露地小坐敷とも火を入れる也、昼、夜咄とも、いにしへの事にて、当時は夜咄も暮六ツ時に露地入する也、但し客入込て、炭をせずに前茶点じ、跡にて炭をいたし、水を張、食事を出す事」とあります。
『三斎伝』に「夜会に昔は掛物花も不置候、油煙掛物に可掛との事也と申候へ共、利休は掛物花も入申候由、赤き花昔は不入候、余り色過たりとの事か、夜会には白き花を専らとす、艸庵侘は白花なくば赤きも不苦哉、利休は入申候由被仰候」とあります。
『茶道望月集』に「座敷拵は床に中字以上の墨跡を用ふる事、夜咄の心得なり、夜は絵讃も見分け難きは不好なり、侘は格別なり」とあります。
『逢源斎夏書』に「一、茶之湯は夜咄に而 あかり申と旦度々被仰候、ある時、大心へ物語に、此口切には、夜咄いたし可申と被仰候、寄妙々々、我等うつかりと心得、残念今に在候 」とあります。
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