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吉野椀

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吉野椀

吉野椀(よしのわん)は、奈良県吉野地方で作られた塗椀で、内外を朱または黒漆で塗り、黒または朱漆で吉野絵とよばれる草花文様を描いた椀のことです。
吉野絵は、木芙蓉、芍薬、葛の花を描いたなどといわれますが判然としません。
利休形の吉野椀は、端反りの落込み蓋で、壺皿のみ高台付で、その他は碁笥底となっています。
会記では、『天王寺屋会記』天正5年(1577)4月13日荒木摂津守会に「吉野こき」と見えます。
元禄4年(1691)刊『茶道要録』に「利休形諸道具之代付」として「吉野椀但シ三人前 三十銭目。替汁椀但シ一組 五銭目。二ノ椀 十五銭目。大壺皿蓋共 同前。小壺皿同 同前。平皿同 同前。」とあります。
三代宗哲(1699〜1776)造の吉野絵の大揃いは、丸折敷、飯椀、汁椀、平皿、壺皿、飯器・杓子、手付飯器・杓子、通盆、弦付汁次、湯桶・湯の子掬い、酒次となっていますが、二ノ椀と大壺皿はなくなっています。
弘化4年(1847)刊『茶道筌蹄』には「吉野椀坪付 利休形、芍薬椀と云は不可也、葛の花也、親椀ばかり碁笥底、坪は了々斎好、尤以前は上り子の坪平を用ゆ」とあり、嘉永4年(1851)刊『茶式湖月抄』に「真の黒花塗、内外朱にして芙蓉の絵あり、身ふたとも同断、但蓋の糸底地ずり朱、椀四ツとも口も朱のいつかけ有之」とあり、飯椀と汁椀のみが載っています。

     
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