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尼面鐶付

鬼面 尼面 遠山  常張 獅噛 和様

尼面鐶付

二舞案摩面

尼面鐶付(あまつらかんつき)とは、鐶付の形状の一つで、舞楽に用いる腫面(はれおもて)の女面に似た姿の鐶付のことです。
尼面は、「あまづら」とも読み、「案摩面」とも「安摩面」とも書き、天平八年(736)に天竺(南インド)の婆羅門僧正(ばらもんそうじょう)菩提僊那(ぼだいせんな)と林邑(南ベトナム)の僧の仏哲(ぶってつ)が四天王寺の楽人に伝えたといわれる唐楽、林邑八楽(りんゆうはちがく)の一つである「案摩」(あま)に引き続いて舞う「二舞」(にのまい)という、笑った顔をした老翁の面「咲面」(わらいめん)と腫れた顔をした老婆の面「腫面」(はれめん)をつけた二人が 安摩の舞をまねて滑稽に舞う舞楽に用いる「腫面」のことをいいます。
尼面鐶付は、『茶道筌蹄』に「竜の事也」とあり、『茶具備討集』に「龍頭」とあるものを指すかと思われますが、実際に「尼面」といわれるものは龍よりも獅噛(しがみ)の形の方が近いといわれ、獅噛のことをふつう「尼面」と呼んでいます。また鬼面の骨格のはっきりしないものや時代を経て鐶付が風化して磨滅した鬼面などを「尼面」と呼んでいる場合もあり、「尼面」がどのような鐶付であるかについては明確ではありません。

『日葡辞書』に「Amazzurano quantçuqe (アマヅラノクヮンツケ)〈訳〉釜を持ちあげるための環が差しこ」「Amazzura (アマヅラ)。すなわち、アマノ ザコノ ツラ」とあります。
『茶具備討集』に「鐶付 爪取、松笠、竹節、鉦鼓耳、塩吹貝、鬼面、兔耳、蝦、龍頭」とあります。
『茶道筌蹄』に「鐶付 鬼面、鉦鼓耳、遠山、あまつら(龍の事也)、松かさ、茄子、さい(責紐の事なり)、なた豆」とあります。

     
鬼面  尼面  遠山   
     
常張  獅噛  和様  鉦鼓耳 

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