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緞子

金襴 緞子 間道  風通 繻珍 天鵞絨 印金 莫臥爾 更紗

仕覆

緞子(どんす) とは、一般的に名物裂では先染めの経糸(織物の縦の長い方向の糸)と緯糸(織物の横幅方向の糸)を用い、経繻子の地にその裏組織の緯繻子で文様を表した絹織物のことです。

段子または純子とも書かれます。

普通は、経糸と緯糸が各五本ずつの五枚繻子の表裏の組織をそれぞれ地あるいは文様に用いますが、六枚の変り繻子や五枚綾によるもの、経糸と緯糸の色を変えて文様を織り出したものなどもあり、表裏の組織の変化で文様を織り出したもを緞子と呼んでいたようです。

経糸の渡りが大きく地合いが緩むために、手触りが柔らかくて光沢が良く、重量感があるため、仕覆としては茶入を痛めず品位もあり、仕覆の名物裂には緞子の数が多くあります。

また、唐物茶入の仕覆には金襴が用いられていましたが、千利休から緞子を用いるようになったとされます。
『南坊録』に「大方唐物名物などはどんす(緞子)袋多し、金入袋もまたかならず添てあり、普光院殿(足利義教)慈照院殿(足利義政)などの御時までは、渡り来る巻物おおよそは錦なり。金入錦こと更厚くして袋に用いがたし。どんす(緞子)の上品なるはうすくやはらかにて、専ら袋に用られしなり。その後唐へあつらへて、どんす(緞子)地の金入、好の如く織てわたりしゆえ、金入を用る人多し、されども東山殿時分の御賞翫と申せば、一入称することなるゆえ、むかしのどんす(緞子)をかけて古風を思ふ人もあり。所詮金入、金不入袋二つあるべきことなり」とあり、また『石州三百ケ条』に「昔ハ唐物ニハ古金襴、和物にはかんとう・純子の類を用、利休より布而唐物などに袋をかろく、かんとう・純子のたくひを用、和物なとハ古金襴の類を用いて袋をおもくする也」とあります。

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