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仕覆

錦(にしき) とは、二色以上の色糸を一組として一本の糸のようにして使い、必要とする色の糸を表面に浮かせて文様を織り出した絹織物のことです。

錦の名前は、後漢の劉煕(りゅうき)の『釋名(しゃくみょう)』に「錦金也。作之用功重於。其價如金。故其制字帛與金也」(錦は金也。之を作るに功(わざ)を用いる重し。其の価金の如し。故に其制字は帛(はく)と金なり)とあり、「金」に値する「帛」(絹織物)という意味に由来するとされます。

紀元前三世紀の秦時代のものである楚錦に始まり、古くは経糸(織物の縦の長い方向の糸)で多色の色糸を用いて文様をあらわす「経錦(けいきん・たてにしき)」で、漢代の錦は全て経錦でした。初唐に緯糸(織物の横幅方向の糸)で文様を織る「緯錦(いきん・ぬきにしき)」が西域より伝えられ、以後これが主流になります。我が国では、法隆寺伝来の蜀紅錦は全て経錦で、正倉院には緯錦が多くあります。

名物裂としては、明の錦織物が珍重されました。

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