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檜皮葺

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檜皮葺

檜皮葺(ひわだぶき)は、檜(ひのき)の樹皮を重ねて葺いた屋根です。
檜皮葺は、垂木(たるき)の上に桟を打ち、その桟に檜皮を少しずつずらしながら重ねて竹釘(たけくぎ)で止めてゆき、軒先は檜皮の断面を釿(ちょうな)で平らに仕上げます。
檜皮葺は、檜の皮に樹脂及びタンニンが大量に含まれており耐久性が高いところから、奈良時代より前からあったといわれます。
檜皮は、檜の立木から剥ぎとったもので、採取する檜は直径一尺程、樹齢が概ね百年以上三百年までが最も適しているといわれ、八〜十年に一回の割合で採取できるといいます。
檜皮は、檜の立木から表皮を剥ぐ「原皮師」(もとかわし)という職人により、材に傷を付けないように樹皮の「甘皮」または「絹皮」と呼ばれる形成層表面の皮一枚を残したところに木箆を差し込み、樹皮を幹から浮かせ上方に引っ張りながら皮を剥ぎ取られます。この採取された檜皮を原皮(もとかわ)といいます。
檜皮は、最良のものは丹波産の黒背皮(くろせがわ)といわれます。樹齢七八十年以上の檜から初めて採取した皮を荒皮(あらかわ)といい、荒皮を剥いだ後に再生した皮を黒背皮あるいは黒皮(くろかわ)といい、黒く光沢のあるところからこの名があるといいます。
檜皮は、伐採した檜から剥ぎとった赤皮(あかがわ)も用いられていますが、油脂分が少ないため耐久性に劣るといいます。
檜皮は、原皮師が剥いだ原皮を加工する「皮切師」(かわきりし)という職人により、檜皮拵え(皮切)を行います。今は葺師が行っています。
檜皮拵(こしらえ)は、「洗皮」(あらいかわ)と「綴皮」(つづりかわ)があります。
洗皮(あらいかわ)は、平葺皮(ひらふきがわ)、軒先に積み上げる軒付皮(のきつけがわ)、隅や箕甲(みのこう)に使う生皮(なかまわ)などの用途に合わせて、原皮を裁ったり削ったりすることです。
平葺皮(ひらふきがわ)は、平皮ともいい、原皮の大部分が仕上げられるもので、原皮を檜皮包丁で裁ち揃え、木口を檜皮包丁の峰で叩き木口を開かせ薄く剥ぎ、節や脂などを丁寧に包丁で削り、厚さを揃えます。
綴皮(つづりかわ)は、洗皮で仕分けられた平皮数枚を檜皮包丁の先の尖りで叩いて上の皮が下の皮に食い込むことで一枚の皮となるように成形することです。
檜皮は、屋根をふく葺師(ふきし)が、軒先の部分に軒付皮を厚く積み上げて断面を釿で削って仕上げた後、水で濡らした平皮を一枚一枚敷少しずつずらしながら重ねて敷き並べて竹釘で打ち付けて留めながら葺き上がっていきます。
檜皮葺の勾配は、草葺の半分ほどの勾配で、一尺行って五寸上がる五寸勾配に葺かれます。

『和訓栞』に「ひはだ 檜皮也、ひはだ葺などいへり、東鑑に檜皮姫公見えたり、海人藻芥に、武士の家には不造檜皮屋、皆板屋作也と見えたり、六位已下檜皮葺屋を禁ぜられし事、日本紀略後一條の條に見ゆ」とあります。
『類聚名物考』に「檜皮 ひはだ 檜木の肌皮といふを略ていふ也、檜皮葺は古への宮殿みなしかなり、今も禁裏、古き神社などは、必用らるヽ也」とあります。

     
間取  天井    出入口
     
    台目構  水屋

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