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行の表具

真(表補) 行(幢補) 草(輪補) 大和表具 変り表具 文人表具 名所

行の表具
行の表具(ぎょうのひょうぐ)とは、歌切、懐紙、詠草、色紙、書画などの本紙を表装する形式です。最も一般的な掛軸の形式で、文人画、南画以外なら何にでも適します。
行の表具は、幢補(どうほ)、 幢褙(どうほえ)、道補絵(どうほえ)、幢補褙(どうほうえ)などと称されます。
行の表具は、三段表装、大和表具、大和仕立、本表装、本仕立と呼ばれることもあります。
行の表具は、主として金襴の緞子、発装金具、装飾座金、金軸を用い、きらびやかなのが特徴です。
行の表具の中にも、真行草の格式があり、行の行が三段表装では最も一般的な形です。
行の真は、一文字を本紙の四方に廻した形式です。
行の行は、行の真の一文字が廻っていない形式です。
行の草は、行の行から一文字を省略した形式です。二段表装ともいいます。

『茶道筌蹄』に「〓(右巾上宀下登)褙(とうぼう) 両脇の広を云ふ、一寸八分より懸物に応じ順に広を用ゆ、併し中の下を通したるより広はなし」とあります。
『石州三百ヶ條』に「幢補にも真行草有、一文字左右へまはるは真也、一文字有之まはらぬ、幢の行也、一文字無之は、幢の草なり」とあります。
文安三年(1446)『壒嚢抄』に「本尊懸絵等のめぐりの装束を、或はヘウホウヱと云、或は表紙と云、何れか正そや。 ヘウホウ絵と云は一向僻事歟、表紙又難心得、紙に非す。表背(へうはい)と書てヘウホイと読也、ハイの字をホイと読む例、倍堂(はいたう)をホイタウとよむ等也。五音の相通也、已にヘウホイ師と云者あり。表紙師とは云す、是に輪背(りんほい)、道背(たうほい)と云事有、其品を表背師に尋ぬへし。師の字を用る事は法師なる故歟、仏師、経師、唐紙師なんと云、男をは塗士、蒔絵士、檜物士なんと云也。〓(右巾上宀下登)表背(たうほい)、輪表背(りんほい)と三字に書く」とあります。
文明六年(1474)修復の東大寺「観盛筆四聖御影」裏書に「奉修補四聖御影 文明二年庚寅五月十八日卯剋新堂宝蔵院 大雨之間山崩一時顚倒其時及破壊間 修補之畢 文明六年甲午九月二日 表背衣専舜房 住持隆賢 知事文海」とあります。
『蓮如上人御一代記聞書』に「蓮如上人、善従に御かけ字をあそばされて、下され候ふ。その後善従に御尋ね候ふ。以前書きつかはし候ふ物をばなにとしたると仰せられ候ふ。善従申され候ふ。表補絵仕り候ひて、箱に入れ置きまうし候ふよし申され候ふ。」とあります。
享保二年(1717)刊 『書言字考節用集』に「裱褙(ヘウホ井) 今云。表具画也。或作表補絵者非」(今云う、表具画也。或は表補絵に作るは非なり)とあります。
『和訓栞』に「へうぐ、裱具とかけり、壒嚢抄に表背とみゆ、輪褙〓(右巾上宀下登)褙などの名あり、へりほそきを輪褙といひ、小べりなきを〓(右巾上宀下登)褙といふ也」「大和裱具といふは、上中下へりとも大鷹紙にて、一文字は大和錦を用ひ、風帯は朝を組みたるもの也」とあります。

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