茶道茶道の道具掛軸表具 > 名所

名所

本紙 一文字 風帯 露花  啄木 中廻 

表具名所

表装名称
名所(などころ)とは、道具などの各部分の名称のことをいいます。
掛物の名所には次のようなものがあります。
  1. 巻緒(まきお)
    掛物を保存するときに軸を巻いて固定するため掛緒に取り付けられた紐。
  2. 掛緒(かけお)
    掛物を吊り下げるとき軸釘(じくくぎ)に掛けるための紐。
  3. 鐶(かん)
    八双の山に打付けて掛緒を結びとめるための金具。座金物ともいう。
  4. 八双(はっそう)
    表木(ひょうもく)ともいい、掛軸の上端につける半月形の木。
  5. 天地(てんち)
    中廻の上下につけられた裂。上下(じょうげ) または地題(じだい)ともいい、上の部分を「天」「上地題」「上」(かみ)、下の部分を「地」「下地題」「下」(しも)と呼ぶ。
  6. 風帯(ふうたい)
    八双から垂らす細長い二本の布または紙。 
  7. 露花(つゆ)
    垂風帯の下部端の左右に付いている房のように縛った小さい糸。
  8. 中廻(ちゅうまわし)
    中縁(ちゅうべり)や中ともいい、天と地の間の本紙を囲む部分。
  9. 一文字(いちもんじ)
    本紙の上下に横に貼る幅の狭い裂(きれ)。
  10. 本紙(ほんし)
    表装する書画の描かれた絹や紙。
  11. 柱(はしら)
    中廻のうちで本紙の左右の部分のみを指す。
  12. 軸棒(じくぼう)
    掛物を巻くための芯となる円形の木の棒。中軸(なかじく)
  13. 軸(じく)
    軸棒の左右の先端につけられる円筒形の部材。
  14. 表紙(ひょうし)
    本紙以外の表装した部分の総称。
  15. 細見(ほそみ)
    本紙の周辺・天地と中廻との間・中廻と一文字との間に入れる細い筋。細金(ほそがね)、細縁(ほそべり)、沈めなどともいう。
  16. 明朝(みんちょう)
    丸表具などの総縁の左右につけた細い縁。中国の明代(1368〜1644)に流行したところからこの名があるという。
  17. 啄木(たくぼく)
    掛緒と巻緒に用いる平紐。白・黒・青の三色の糸を組んだ啄木組で、白地に黒・青の色が点々としているのが、鳥が木を啄いた跡のように、またキツツキの羽の柄のようにみえるところからこの名があるという。
  18. 総裏(そううら)
    掛物の裏面の総称。
  19. 巻絹(まきぎぬ)
    掛物を巻き収めたときに表に見える部分で、巻き収めた状態の掛物を擦れなどから保護するため、掛軸の裏の部分に貼る薄い絹地。上巻絹、上巻ともいう。
  20. 軸助(じくすけ)
    掛物を開いたり巻いたりする時に下部を損じないよう軸木から軸の裏の両端に張る小さな紙片。
  21. 外題(げだい)
    掛物の内容や作者などを記して上巻絹のところに張る紙片。
  22. 小口(こぐち)
    掛物を巻いたときの左右の両端。
  23. 巻紙(まきがみ)
    掛物を巻くとき表具を傷めないように巻緒の下に当てて巻く紙。口紙(くちがみ)、巻緒当、礼紙(らいし)などともいう。

『茶道筌蹄』に「懸物 一文字風帯中上下の表具宋朝の製也、是を略し色々好をなす」「真表具 本紙の脇に細き筋を入たるを云ふ、仏表具に用ゆ、此すぢをにほひと云ふ」「〓(右巾上宀下登)褙(とうぼう) 両脇の広を云ふ、一寸八分より懸物に応じ順に広を用ゆ、併し中の下を通したるより広はなし」「輪褙 両脇のせまるを云ふ、四分より懸物に応し広くなるなり」「徐煕表具 宋朝製の寸法の一文字をさりしなり、珠光好と云ふ」「表具の寸法 一文字の上一寸ならば下五分也、中は一文字の上を四倍し四寸、中の下は中の上の半わりにて二寸、上下の上は中の上に三倍の一尺二寸上下也、下は上下の上の二わりにて六寸になるなり、何れもこの割にし少し下をふかくすがよろし、風帯はかけ物の幅一尺ならば七分、これより幅狭きは掛物恰好見合せなり」、表具名所「軸 唐紙半切の幅にて出八分 象牙 角 ぬり物 木地」「軸木 軸に付く木地也、杉を用ゆ」「表木 上の巻留に入たる木なり」「うは巻の絹 巻留たる所にある絹也、巻物の表紙の如し、色浅黄」「懸絹 釘へかける所のきぬなり」「啄木 真田の打様の名也、浅黄と紺との打分を云ふ、まき緒とも云ふべし」「懸棹 長さ二尺八寸矢筈竹を用ゆ」「紙表具の始 利休、笑顔和尚の文を紫地の印金の一文字に白唐紙の中風帯浅黄の紙の上下にせしと云ふ、この一文字風たいを去り白の張風たいにせられしは元伯也」「懸物見る心得之事 本紙一文字中上下風帯軸と一二三の順をつけて覚るときは忘るゝことなし」とあります。
『和訓栞』に「へうぐ、裱具とかけり、壒嚢抄に表背とみゆ、輪褙〓(右巾上宀下登)褙などの名あり、へりほそきを輪褙といひ、小べりなきを〓(右巾上宀下登)褙といふ也」「大和裱具といふは、上中下へりとも大鷹紙にて、一文字は大和錦を用ひ、風帯は朝を組みたるもの也」とあります。
『利休百首』に「墨跡を掛ける時にはたくぼくを末座の方へおおかたは引け」「絵の物を掛ける時にはたくぼくを印ある方へ引きおくもよし」とあります。

茶道をお気に入りに追加

掛軸 表装 名称