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見切表具
見切表具 袋表具 台表具 刳抜表具 柱隠 描表具
見切表具(みきりひょうぐ)とは、天地を本紙の四方に廻した総縁(そうべり)で、中廻(ちゅうまわし)を一文字と同じ幅で一文字と平行に置いて、中廻の柱がない形式のものです。
見切表具は、佐久間将藍(さくましょうげん)の好み表具と伝えられています。
見切表具は、表補(ひょうほ)の行すなわち「真の行」の形式の柱を略した形といわれます。
見切表具は、左右の縁の太いものを「幢補見切」(どうほみきり)、細いものを「輪補見切」(りんぽみきり)といいます。
見切表具から中廻を無くした形式のものを、一般に「袋表具」(ふくろひょうぐ)といいますが、見切表具のことを袋表具と称したものもあり、中国の仕立様式が伝わったものであるともいわれます。
中国の仕立様式のなかで、見切表具のように、総縁(そうべり)で、中廻(ちゅうまわし)と一文字(いちもんじ)を同じ幅で平行に置いたものとしては、宋代の表具形式に、本紙の上下に「引首」(いんしゅ)と引首より細い「経帯」(けいたい)という二枚の裂地を置いた形式のものがあり、宋末の周密の『諸畫裝褫尺寸定式』では「大整幅」「双幅」「横巻」以外は本紙の上下に二枚の裂地を貼り付ける意匠形態となっています。引首と経帯はそれぞれ一文字のことと説明したものがあります。
見切表具は、上下廻(じょうげまわし)とも呼ばれ、これに明朝を施したものもあったところから、丸表具に明朝を施したものとの区別のために「袋明朝」と呼んだことがあったといいます。
林守篤編、正徳二年年(1712)序、享保六年(1721)刊『画筌』に「総べり 袋〓(左礻右皆)ふくろへうぐ」とあります。
宋の周密撰『紹興御府書畫式』諸畫裝褫尺寸定式に「大整幅 上引首三寸、下引首二寸。」「小全幅 上引首二寸七分、下引首一寸九分、經帶四分、上褾除打擫竹外、浄一尺六寸五分、下褾除上軸外、浄七寸。」「一幅半 上引首三寸六分、下引首二寸六分、經帶八分。」「雙幅 上引首四寸、下引首二寸七分、上褾除打擫竹外、浄一尺六寸八分、下褾除上軸桿外、浄七寸三分。」「兩幅半 上引首四寸二分、下引首二寸九分、經帶一寸二分。三幅 上引首四寸四分、下引首三寸一分、經帶一寸三分。」「四幅 上引首四寸八分、下引首三寸三分、經帶一寸五分。」「卷 褾合長一尺三寸高者用全幅、引首闊四寸五分高者五寸。」とあります。
『名物六帖』に「上引首(うへのいちもんじ)。下引首(しものいちもんじ)。経帯(ふうたい)、其見上。綾引首(あやのいちもんじ)、輟耕録綾引首及托裏。双引首(ふたいろのいちもんじ)、楊升庵集有引首二色者曰双引首。」とあります。
明の楊慎の『楊升庵集』に「海岳書史云、隋唐藏書皆金題玉躞、錦贉繡褫。金題、押頭也。玉躞、軸心也。贉、卷首帖綾、又謂之玉池、又謂之贉。有球路錦贉、有樓台錦贉、有樗蒲錦贉。有引首二色者曰雙引首。標外加竹界而打擫其覆首曰褾褫法。帖譜系曰大觀帖、用p鸞鵲錦褾褫是也。卷之袠簽曰檢、又曰排。」「古裝裱卷軸引首後以綾粘禇者曰贉。有樓台錦贉球絡贉。蠲紙贉。樗蒲錦贉。唐人謂之玉池。其引首有二色者曰雙引首。標外加竹界曰打擫」とあります。
『齊東野語』に「蘇軾文與可雜畫、姚明裝造。用p大花綾衣票。碧花綾里。黄白綾雙引首。烏犀或瑪瑙軸。」とあります。
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