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折敷利休形 折敷 両椀 煮物椀 吸物椀 八寸 飯器 湯桶 通盆 脇引
折敷(おしき)は、懐石家具のうち、檜の片木(へぎ)で作った縁つきの盆のことです。
多くは方形で、食器などを載せます。一般的に懐石では、折敷に「飯椀」「汁碗」「向付」をのせ、縁に箸ををかけて出すことになっています。
折敷とは折って敷くという意味で、昔は木の葉を折り敷いて食器の代用としたものを、後世に至って檜の片木を押し曲げて角盆にして用い、古名のまま「折敷」と呼んだものだで、本来は脚のない膳のことをいいますが、脚の付いたものもあり、足付・足打(あしうち)と呼ばれます。
折敷の形としては、四角の物を「平折敷(ひらおしき)」(角不切)、四隅を落とした「角切折敷(すみきりおしき)」(隅切折敷)、隅切の縁を高くした「縁高折敷(ふちだかおしき)」、足を付けた「足打折敷(あしうちおしき)」(高折敷)、足打折敷の脚に刳形(くりがた)のない「傍折敷(そばおしき)」等があります。
折敷は、皆朱の角切を「真」として精進に用います。黒塗りの「角不切(すみきらず)」を「行の真」、「角切」を「行の行」として一般に用いられます。「草」には、春慶・うるみ・摺漆・一閑など、形も舟底・丸盆・半月など、糸目や鉋目や、模様や簡単な蒔絵が施されたりと様々あります。
元禄4年(1691)刊『茶道要録』に「利休形諸道具之代付」として、「皆朱折敷」、「鉋目折敷」、「曲折敷」、「隅不切折敷」が掲載されています。
『倭訓栞』に「おしき 東鑑に折敷と書り。所謂方盆也。一説に和卓の音とす。木の葉を折敷て盤となせし、上古の名の遣れるもの也。」、『北史』に「倭國・・・俗無盤俎、藉以槲葉、食用手餔之。」とあります。
『茶道筌蹄』に「角きらず 元来利休形の湯盆なり、膳に用ゆる事は仙叟より始る、依て曲折敷を湯盆にもちひても然るべき歟。鉋目 利休形溜角切、カンナ目あり。曲 利休形黒ツハメ角きり。山折敷 飛騨作にならふて利休形なり、カンナメ内ニ桜皮のトジメあり、側深くして打合せなり。吉野折敷 根来作なり、鏡は黒ハケメ側朱也、裏は春慶、卒啄斎より吉野折敷と呼ぶ、吉野椀にとり合す、千家に本歌あり。半月折敷 如心斎好一閑作、黒クルミ足、糸目椀にとりあはす。山崎盆 織部好、溜塗鉋目、裏黒形丸。」とあります。
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