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矢筈棚
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矢筈棚(やはずだな)は、真塗の背の低い四方棚で、四本柱の右手前一本を柄杓が通いやすいように省き、天板の小口に矢筈形の溝を掘って、それに赤い紐を掛けまわし、省いた一本の柱の代わりに紅染の総(ふさ)を垂らした、三本柱の小棚です。
矢筈棚は、武者小路千家七世 直斎(じきさい)堅叟宗守(けんそうそうしゅ)が好んだ棚です。
矢筈棚は、堂上家で冠を置く棚(冠卓)に真塗で四方に赤い房の下がったものがあり、これをもとに、直斎が好んだ明七宝水指を生かして使うために考案されたといいます。
矢筈棚は、矢を弦につがえるために凹字形になった矢の頭部を「矢筈」(やはず)といい、天板の小口が矢筈状になっていることからこの名があるといいます。
矢筈棚は、「判の柄杓」と呼ばれる、柄が一寸長く、柄の部分を煤竹にして裏を黒塗にした柄杓を用います。
矢筈棚は、表千家六世 覚々斎(かくかくさい)原叟宗左(げんそうそうさ)が桐木地に赤の紐で好んでいます。
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