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法語

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法語(ほうご)東京国立博物館所蔵「虚堂智愚墨蹟」
法語(ほうご)は、仏法の道理について説き示した語。禅僧が、学人に示すため、その思想・心境を書き記したものです。
大方等大集經卷第五『大方等大集経』に「法語者。凡所演説依法而語。」(法語は、凡そ演説する所は法に依って語す。)、「法無窮盡。廣大無邊。法事法身法口法意。菩薩摩訶薩具足成就如是等法。是名法語。法者真實之語守護法語。」(法に窮尽無し。広大無辺。法事法身、法口法意。菩薩摩訶薩具足、是の如き法を成就す。是を法語と名く。法は真実の語、法を守護するの語なり。)とあります。
法語の墨蹟では、東京国立博物館所蔵の国宝「虚堂智愚墨蹟」、別称「破れ虚堂」(やぶれきどう)が有名です。
「世路多巇嶮、無思不研窮。平生見諸老、今日自成翁。 認字眼猶綻、過譚耳尚聾。任天行直道、休問馬牛風。日本照禪者、欲得數字、徑以述懷贈之。虚堂叟智愚書。」とあり、虚堂智愚(1185〜1269)が日本照禅者の求めに応じて書き与えた法語で、日本照禅者は鎌倉浄智寺の僧無象静照(むしょうじょうしょう)と考えられています。無象は 景定3年(1262),育王山に虚堂智愚を訪ね、咸淳元年(1265)帰国、のち京都仏心寺の開山となりました。
この墨蹟は、武野紹鴎の愛玩を経て、京都の豪商大文字屋が入手しましたが、寛永14年(1637)丁稚が蔵に立てこもってこれを切り裂き自害するという事件が起こり、以来「破れ虚堂」と別称されています。のち松平不昧が入手し、雲州松平家に伝来しました。

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