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国宝「無準師範墨蹟 山門疏」 五島美術館蔵
疏(しょ)は、禅院で用いられる文書の一体で、多くは四六文で作られ、種々の礼式に用いられます。
疏には、入寺疏(にゅうじのしょ)、仏祖尊宿などの回向疏(えこうのしょ)、建物修造や造仏に際して募縁のための幹縁疏(かんえんのしょ)など種々あります。
入寺疏は、住持が新たに任じられ、その新住持の入寺に関して作られる疏で、新住持を迎える寺院で作る歓迎の意を表す詩文「山門疏」〈さんもんのしょ〉、新住持を迎える寺院の近隣の寺院が祝賀の意を表わす詩文「諸山疏」(しょざんのしょ)、新住持が入院の際に一般の僧が贈る詩文「江湖疏」(ごうこのしょ)や、同門疏、友社疏があります。
疏の墨蹟では、五島美術館蔵の国宝「無準師範墨蹟 山門疏」が有名です。無準師範(ぶしゅんしばん 1177〜1249)は、中国南宋時代の僧。明州の清涼山、育王山などを歴住し、五山第一位の径山(きんざん)萬寿寺の第三十四世住持。この疏は、無準師範が径山万年正続院の落成式で読み上げた文で、序文が小文字、偈が大文字で書かれており、加賀の前田利常が、小堀遠州から黄金五百枚で購入したと伝えられています。

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