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道号

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道号(どうごう)妙心寺所蔵「大燈国師墨蹟 関山字号」
道号(どうごう)とは、禅僧が一定の法階(僧侶の階級)に達した証しに、師や高僧から与えられる称号のことです。
俗人の字(あざな)にあたるもので、字を道号としたものもあります。
出家得度の際に本師から与えられる法諱(ほうき)とともに四字連称され、道号を付した名が禅僧の正式な呼称となりました。
もとは中国の禅僧が、居住する山名や寺名により、洞山良价(とうざんりょうかい)、臨済義玄(りんざいぎげん)などとよばれたのに倣ったものですが、南宋ころから俗人の字の風が影響し一般的になります。
ただし道元(どうげん)などのように、俗風を嫌いこれを用いない一派もあります。
道号の墨蹟では、妙心寺所蔵の国宝「大燈国師墨蹟 関山字号」と、長福寺所蔵の国宝「古林清茂墨蹟 月林道号」が有名です。
「関山字号」は、大徳寺開山の宗峰妙超(しゅうほう みょうちょう 1282〜1338)が、妙心寺開山の関山慧玄(かんざん えげん 1277〜1361)に与えた道号および偈頌です。
「関山。鎖断路頭難透 處寒雲長帯 翠巒峰韶陽一 字蔵機去正眼 看来隔萬重。右為慧玄蔵主 賦関山號嘉暦己巳 仲春龍峯山宗峰妙超書」(関山。鎖段す、路頭難透の処。寒雲長く帯ぶ翠巒峰。韶陽の一字機を蔵し去る。正眼に看来れば万重を隔つ。右慧玄蔵主の為めに関山の号を賦す。嘉暦己巳仲春。龍峰山宗峰妙超書す。)とあります。この墨蹟は、もとは巻物であったものを「関山」字の下に偈文を継いで掛幅としたものと思われています。
古くは、道号と号頌をそれぞれ別紙に書いて授与するのが一般的な風潮で、一紙の上下に道号と号頌を分けて書く形式は、室町時代以降に一般的になります。
「月林道号」は、元代禅林の第一人者の古林清茂(くりんせいむ 1262〜1329)が、元享2年(1322)に入元し古林清茂の下に参じた月林道皎(げつりんどうきょう 1293〜1351)に泰定4年(1327)に与えた道号および偈頌です。
月林道皎は、中納言久我具房の子で、師に八年間参学し、元の文宗より仏恵智鑑大師の号を贈られ、元徳2年(1330)に帰朝して京都に長福寺を開き、花園上皇の帰依をうけます。
道号を与えるときに一緒に送られる偈頌は、「道号頌」(どうごうのじゅ)といいます。

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