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遺偈

偈頌 法語   像賛 問答語 印可状 香語 道号 大字 安名 遺誡 祭文 願文 説文 遺偈 尺牘

遺偈(ゆいげ) 常盤山文庫所蔵 国宝「清拙正澄墨蹟 遺偈 暦応二年正月十七日」
遺偈(ゆいげ)とは、禅僧が末期に後人のために残す辞世の偈頌のことで、遺誡偈頌(ゆいかいげじゅ)の略です。
遺偈の墨蹟には、常盤山文庫所蔵の国宝「清拙正澄墨蹟 遺偈 暦応二年正月十七日」があります。
清拙正澄(せいせつしょうちょう 1274〜1339)は、元の福州の人で、嘉暦元年(1326)来朝し、北条高時の請いに応じて鎌倉建長寺に住し、のち浄智寺、円覚寺を経て後醍醐天皇の勅命で京都の建仁寺、南禅寺などに住し、信濃守護小笠原貞宗の招きで信濃伊賀良の畳秀山開善寺の開山となりました。
この墨蹟は、書き出しの三文字によって「毘嵐巻」と通称されています。
また、正澄の臨終に間に合わなかった弟子が、棺の前で号泣していると清拙がにわかに目を開き、法を授けたという逸話から「棺割の墨蹟」とも呼ばれます。
遺偈には、「毘嵐巻空 海水立三十 三天星斗濕 地神怒把 鐵牛鞭石 火電光追莫 及珎重 首座大衆 暦応二年正月十七 日正澄(花押)」(毘嵐(びらん)空を巻き、海水立ち、三十三天星斗湿(うるお)う、地神怒り把る鉄牛の鞭、石火電光追えども及ぶ莫(な)し。珍重。首座大衆。暦応二年正月十七日。正澄。)とあります。

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