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席入りの仕方

 

座敷の入り方

表千家
茶席の入り口に、膝の前に扇子を横に置いて座り、襖の引手に近い方の手で三分の二くらい開け、残りの三分の一は反対の手で押して開けきります。軽く一礼して、扇子を前に進め、両手を畳について、軽くにじって腰を浮かせるようにして入ります。茶席に入ったら、扇子を右手に持って立ち上がります。正客以外は、にじり入ったら、扇子を膝前に置いて正客に一礼してから立ち上がります。最後に席入りし、戸を閉める場合は、引き手に近い方の手で三分の二くらい閉め、残りの三分の一は反対側の手で閉めます。表千家では、床前が正客座です。したがって下座床の席でも、正客は床の前に座ります。座る位置は疊の縁から約八寸(畳目で十六目)下ったところに座ります。

裏千家
茶席の入り口に、扇子の要が右を向くように膝前に扇子を置いて座り、襖の引手に、近い方の手をかけます。手が入るほど少し開け、そのまま引手から手をおろし、三分の二程度まで開け、手をかえて、残りを開けきります。茶席の内側をひととおり見て、前の人の位置や、自分が向かう方向について確認します。扇子を前に進め、座ったままにじって入ります。最後に席入りし、襖を閉める場合は、開けたときの動作の逆となります。近い方の手で襖を引き寄せ、手をかえて残りを閉め、最後は引手に手をかけて閉めきります。茶室の中に先客がいるときには、その方へ膝を向け、扇子を前にしてお辞儀をします。扇子を持って立ち上がり、畳のへりを踏まないように席につきます。座る位置は、畳縁から八寸(畳目で十六目分)下がったところに座ります。

武者小路千家
茶席の入り口に、扇子を前に置いて座り、これから建具を引く方向の手を引手にかけて三分の一程あけ、次に反対の手で建具の幅の四分の三ほどをあけます。両手をついて一礼し、席中を見ます。右手に扇子を持ち、席に入ります。最後に席入りし、襖を閉める場合は、襖に向いて斜めに座り、これから建具を引く方向の手で襖の下方を持って引き出し、七分どおり引き、反対の手を引手にかけて、閉めきります。座る位置は、広間では畳と膝の間に懐紙がゆっくり置ける程度(自分の手のひらが入るくらい)にゆとりを持たせて座ります。畳目何目に座るとかには拘りません。

大寄せの茶会では、席入りに時間をかけないようにするため立ったままの席入りを誘導する場合が多くあります。この場合には、その場の状況や相客の対応に合わせるようにします。

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  1. 座り方・立ち方
  2. お辞儀の仕方
  3. 襖の開け方・閉め方
  4. 歩き方
  5. 席入りの仕方
  6. 床・釜の拝見の仕方
  7. 扇子の置き方
  8. お菓子のいただき方
  9. 薄茶のいただき方
  10. 茶器・茶杓の拝見の仕方

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