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方立口
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方立口(ほうだてぐち)は、主に茶道口に用いられる出入口の形式のひとつで、方立(ほうだて)を立てて上に鴨居(かもい)を乗せて枠として区切った開口部を作り、水屋側に片引き襖を建てたものをいいます。
方立口は、「保立口」とも書き、「ほうたてぐち」「ほだてぐち」「ほたてぐち」とも呼ばれます。
方立(ほうだて)は、建具を取付けるため柱のかわりに壁との仕切に立てる竪材(たてざい)をいいます。
方立口は、鴨居と方立の結合部で、鴨居が方立より突出している角柄(つのがら)に組むのが一般的です。
方立口の茶道口は、一般に内法幅二尺一寸、内法高五尺二寸前後が標準で、方立と鴨居の見付は九寸前後で、鴨居の角柄も九寸前後が多いといいます。
方立口に建てる襖(ふすま)は、一般に縁のない太鼓張(たいこばり)の襖で、引手は切引手(きりひきて)になっています。
方立口は、方立に竹を用いたものもあり、薮内家の燕庵(えんあん)やその写しに見られます。
亭主の出入口が方立口のみの茶室には、裏千家の又隠(そういん)、有楽園の如庵(じょあん)などがあります。
『茶道筌蹄』に「勝手口 ホタテ口と火燈口は勝手口にかぎる、火燈口ぬり廻しは勝手口と通ひ口と両様なり、席により釣ふすまもあり、古風には引違ふすまにて勝手口とかよひ口と兼用るもあり、堺鹽穴寺に利休このみの二畳台目あり、引違ひなり、はら口付られぬ故なり」とあります。
『茶伝集』に「勝手口に傍立口と云は、鴨居の見付九分、傍立も九分にして、鴨居は傍立にいたヾかせ、鴨居の鼻の出端は九分、高さ巾櫛形の寸法也」とあります。
『家屋雑考』に「棖(ほヽたて、ほうたて) 一書に云、門柱多くは丸木にして、扉をつけがたし、故に傍に扁柱を立、是を棖といふ、口旁(くちのかたはら)の輔車(ほヽかまち)に似たり、故に俗是を頬立と云ふといへり」とあります。
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