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経筒

桃尻 桃底 曾呂利 鶴首 鶴一声 角木 蕪無 下蕪 中蕪 把綿 経筒  薄端 釣船 柑子口 桔梗口 砂張

経筒

経筒(きょうづつ)は、古銅花入の一種で、経巻を収納するための円筒形の容器を花入に転用したもので、通常は宝塔形の蓋が添っています。
経筒は、平安末期から鎌倉期にかけて、祈願のために書写した経巻を筒に納めて埋蔵することが流行し、後世、これを発掘したものが花入に転用されました。
経筒は、銅製品が主ですが、鉄、陶磁、石製品もあります。銅製は打物で鍍金のあるものや、鍍金のないものがあり、鋳造のものもありますが、鉄製は鋳造品で、陶磁器製には陶器のもの、青磁や白磁のものがあります。
経筒は、筒身の形状は大部分が円筒形で、六角筒、八角筒のものもあり、宝塔、宝幢(ほうどう)形もみられます。また数個の短い筒を積み上げて一本の筒形としたものもあります。
経筒は、大きさは、平安時代のものは八寸二三分前後と高く、鎌倉時代のものは六寸前後と全体としてずんぐりしており、室町時代になると三寸三分前後と小形になっています。
経筒は、埋経の趣旨、埋納経典の名、年月日、願主名など年紀銘文や仏像を刻んでいるものがあります。
経筒は、吉野金峯山から元禄四年(1691)山上本堂の改築工事に伴い出土した藤原道長埋納の寛弘四年(1007)銘の金銅経筒は、最古の年紀を有するものとして知られ、国宝に指定されています。
経筒は、特に追善供養などの茶会に花入として用いられます。
経筒は、埋蔵品のため錆や緑青を伴いますが、それを景色として見所ともなっており、現在でもその姿を写して作成されています。

『茶道筌蹄』に「経筒 伊三郎にて写しあり、古へ経巻を入し筒也」とあります。

     
桃尻  桃底  曾呂利  鶴首
     
鶴一声  角木  蕪無  下無
     
中無  把綿  経筒 
     
薄端  釣船  柑子口  桔梗口
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