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角木

桃尻 桃底 曾呂利 鶴首 鶴一声 角木 蕪無 下蕪 中蕪 把綿 経筒  薄端 釣船 柑子口 桔梗口 砂張

角木

角木(つのぎ)は、古銅花入の一種で、口が細く、耳がなく、首が長い、いわゆる鶴首あるいは細口といわれるもので、胴が「く」の字形に張り、底が小さく作られたものをいいます。
角木とは、角木割(つのぎわり)の略で、鹿の角で作った鏃(やじり)のことで、丸棒状に竹を削って茎として角に挿入したものを、篦(矢柄)に挿し込んで矢とし、舟端に立てた木の楯などを打破る木割(きわり)の鏃に似ているところからの名称です。
大名物の古銅角木花入は、北向道陳が見立てて、三好実休が所持していたものを観世彦左衛門が拝領したもので、現在藤田美術館に所蔵されています。観世彦左衛門宛の千利休の消息、盛阿弥作の矢筈盆と寸松庵伝来の薄板が添っています。

『山上宗二記』に「一 つのき 観世彦左衛門所持、昔道陳目聞にて三好実休所持被成、観世彦左衛門に拝領させられ候、紫銅の無文なる花瓶也、人知ぬ数寄道具也、但し薄板に居る。」とあります。
『貞丈雑記』に「一 つのぎと云ふは角のきわりと云ふ事なり、角にてきわりを作るなり、箆にさしこむ所のなかごは、竹を削りて角の中へさしこみ箆にしさしこむなり、今まきわら矢をつのぎと云ふは木わりの形に似たる故なり、大小のちがひなるべし、木わりは大にして堅木にて作るなり。(中略)〔頭書〕木わり事、義経記に見たり、樫の木いちいの木などにて廻り四寸長六寸計に拵て強弓の射手是を以て船ばた盾板などを射割るもの故木割と云なり」とあります。
角木

角木は、なお上下が端返り、胴の中央で締まり、帯のある形で四角のものを「角木」(かくぎ)とするものがあります。
角木(かくぎ)は、中国古代青銅器の飲酒器「觚」(こ)のうちで「方觚」(ほうこ)と呼ばれるものを写したものと思われます。

『茶道筌蹄』に「角木 角のりうご」とあります。

     
桃尻  桃底  曾呂利  鶴首
     
鶴一声  角木  蕪無  下無
     
中無  把綿  経筒 
     
薄端  釣船  柑子口  桔梗口
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