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蕪無

桃尻 桃底 曾呂利 鶴首 鶴一声 角木 蕪無 下蕪 中蕪 把綿 経筒  薄端 釣船 柑子口 桔梗口 砂張

古銅蕪無花入

蕪無(かぶらなし)は、古銅花入の一種で、胴に蕪状のふくらみのないものをいいます。
蕪無は、鏑無、無蕪、無鏑とも書きます。
蕪無は、中国古代青銅器の飲酒器「觚」(こ)あるいは觚形の盛酒器「尊」(そん)の姿を写した、一般に喇叭状に開いた口と膨らんだ胴と末広がりの台をもつ、いわゆる尊形(そんなり)の胴の張った部分を「蕪(鏑)」(かぶら)と呼びならわしていますが、この蕪のない器形のものをいいうようです。
蕪無は、天文二十三年(1554)の奥書を持つ『立花図巻』では「無蕪土拍子」として「觚」の姿形のものが描かれ、慶長六年(1603)の奥書を持つ池坊専好自筆相伝書『花瓶之画図』には紹鴎所持と伝えられる古銅花生銘世永(よなか)のような姿形のものが描かれています。

『訓蒙図彙』に「觚 此器亦酒杯也、今為花瓶、謂之花觚」( 觚 此の器もまた酒杯なり、今花瓶と為て、これを花觚と謂う)とあります。
『缾花譜』に「銅器之可用挿花者、曰尊、曰罍、曰觚、曰壺、古人原用貯酒、今取以挿花」(銅器の花を挿すに用いるべきは、曰く尊、曰く罍、曰く觚、曰く壺、古人もと酒を貯るに用いるを、今取りて以て花を挿す)とあります。
『神谷宗湛筆記』天正十四年十二月廿四日に「始より蕪なしに水計入て薄板にすはる。真中に但前十六目也。手水の間に白梅入て。」とあります。

蕪無之古図  古銅花生 銘世永(よなか)
蕪無之古図  古銅花生 銘世永(よなか) 
蕪無之図(江戸中後期)  『訓蒙図彙』「觚」(こ)
蕪無之図(江戸中後期)  訓蒙図彙 觚 
商 獣面紋觚 故宮博物院蔵  周 父辛尊 故宮博物院蔵
商 獣面紋 觚  周 父辛 尊
     
桃尻  桃底  曾呂利  鶴首
     
鶴一声  角木  蕪無  下無
     
中無  把綿  経筒 
     
薄端  釣船  柑子口  桔梗口
胡銅 唐銅 花生 花瓶

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