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砂張

桃尻 桃底 曾呂利 鶴首 鶴一声 角木 蕪無 下蕪 中蕪 把綿 経筒  薄端 釣船 柑子口 桔梗口 砂張

釣船

砂張(さはり)は、銅を主体に錫を加え、銀、鉛を少量含んだ合金の総称です。
砂張は、古くから中国・朝鮮・東南アジアから中近東にかけて広く用いられ、我が国に伝来したものです。
砂張は、日本では奈良時代の文献に「佐波理」とあり、正倉院御物の中に砂張製の水瓶・皿・匙など多数の僧具・食器があります。
砂張の語は、朝鮮半島由来といわれ、「沙布羅」(さふら)という新羅語の転訛したもの、この合金で作られた碗形の食器「砂鉢」(さばる) から出たという説などがあり、「佐波理」「紗波理」「沙張」等様々な字が当てられています。また叩くと良い音がすることから響銅とも書きます。
砂張は、銅に錫を混入するときの分量や温度により肌が異なるといい、中国のものは肌理が細かく黄味を帯びた白銅色、朝鮮のものは黒っぽい銹色、東南アジアのものは黄緑色を帯び、中近東のものは白銅色といいます。
砂張は、東南アジアなどのものとされるものが「南蛮砂張」(なんばんさはり)と称されていますが、金色の金味が喜ばれ、唐物や高麗物に比べ珍重され、花入としては村田珠光所持の貨狄舟、松本珠報所持の松本舟が砂張舟花入の嚆矢といい、「松本舟」「針屋舟」「淡路屋舟」を「天下三舟」、「茜屋舟」「艜舟」を加えたものを「天下五舟」などと持て囃されました。また曽呂利とか鶴首のような無紋ですらりとしたものによく使用されています。

『嬉遊笑覧』に「東雅に和名抄に唐韻を引て鈔鑼銅器なり、鈔鑼音与沙羅同、俗云沙布羅、今按、或説言新羅金椀、出新羅国、後人謂之雑羅者、新之訛也、正説未詳と注せり。さふらとはもとこれ新羅の方言なり、即鈔鑼なり雑羅の儀にはあらず、即今も朝鮮より此器を出せり、俗にサハリといふはさふらの音の転じたる也といへり」とあります。
『和名抄』に「鈔鑼 唐韻云鈔鑼(二音与沙羅同、俗云沙布羅、今案、或説云新羅金椀、出新羅国、後人謂之雑羅者、新之訛也、正説未詳)銅器也」とあります。
『万宝全書』に「高麗沙張 槌目なし、黒色也。南蛮沙張、槌目有るもあり。書写沙張 日本之物なり」とあります。
『茶道筌蹄』に「砂張舟 珠光所持を貨狄舟と云ふ、珠報所持を松本舟と云ふ、此二品茶人砂張舟を用る初め也」とあります。

     
桃尻  桃底  曾呂利  鶴首
     
鶴一声  角木  蕪無  下無
     
中無  把綿  経筒 
     
薄端  釣船  柑子口  桔梗口

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