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桃尻

桃尻 桃底 曾呂利 鶴首 鶴一声 角木 蕪無 下蕪 中蕪 把綿 経筒  薄端 釣船 柑子口 桔梗口 砂張

古銅桃尻花入

桃尻(ももじり)は、古銅花入の一種で、細口で、耳がなく、下部が桃の形のように膨らみ、高台がなく、上下五段に区切られた文様帯があり、その文様帯の中に饕餮文の退化した文様(結び龍)のあるものをいうようです。
桃尻は、中国明代の製で、室町末期に将来したものといわれます。
桃尻は、文様のない桃尻というものもあるといいますが、詳細はわかりません。
また、「桃底」という古銅花入があり、その「桃底」と「桃尻」との区別も判然せず、両者の混同も見られるようです。
桃尻は、『山上宗二記』表千家本には「もヽそこ」と「もヽしり」と記載されていますが、説明文は桃底と桃尻とも同様でその区別が判然としません。

『烏鼠集』に「桃尻にハ耳なし、かう台つきなし、桃の尻のことし、凡ハそろりのなり・ふくらちかふ也、長同意、少ハひさし、六寸三四分、上下に紋なき処少有、肩に猿紋、次に雉の尾、次にすちかひして、間に小紋、横に筋して結龍、又よこ筋してをり入ひし、次無紋にあけそこの桃尻也」とあります。
『天王寺屋会記』永禄10年(1567)12月29日朝会に「無もんのもヽしり、梅入テ、四方盆ニすへ」、同永禄11年(1568)4月25日朝せいとん会に「床 もヽしり、四方盆ニ、菊生テ、此花入少かた也」「もヽそこ拝見申候、金かね黒色也、もん一段うつくしくほり申候、むすれう(結龍)七ツ有」、同永禄11年(1568)4月26日昼会に「住吉屋之もヽしり見申候」「もヽしり拝見申候、色あか色也、もん(文)てきわ(手際)あしきやうに見へ申候、口かたうすあり、むすひれう(結び龍)六ツ半也」などあります。
『山上宗二記』に「一 もヽそこ 関白様に在 むかし珠光所持、天下一の名物也、但ことうの花入、五とをりの文をさし候。四方盆に居る。一 もヽそこ 昔引拙所持、是も文を五通りさし候、四方盆に居る、平野に在。一 もヽしり 是も同名物也、文を五とをり指候、四方盆に居る、京医師道三在。右天下三つ之花入也、但此外もヽしり好悪取交七つ八つ在、それは数寄に不入。口伝在之。」とあります。
『神谷宗湛筆記』に「一 桃尻はふくらに唐草の紋有。口より下にも同紋。かね色少赤し。」とあります。
『和漢茶誌』に「桃尻 鋳五様紋胡銅漢器也」(桃尻 五様の紋を鋳る、胡銅の漢器なり)とあります。

     
桃尻  桃底  曾呂利  鶴首
     
鶴一声  角木  蕪無  下無
     
中無  把綿  経筒 
     
薄端  釣船  柑子口  桔梗口
胡銅 唐銅 花生 花瓶

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