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円座
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円座(えんざ)は、露地の腰掛で、客が座るときに用いる、直径一尺、厚みは七分ほどの丸い敷物のことです。
円座は、竹の皮を表に用い、藁(わら)、菅(すげ)、蒋(まこも)などを、丸く平たく編んだものです。
円座は、腰掛の下座寄りに、客の数だけ重ねて置かれ、その上に煙草盆を置きます。冬はその脇に手あぶりも用意しておきます。
円座は、元来は神社や寺院の土間や板敷のところで用いる一人用の円形の座席敷物で、材料ははじめ蒲の葉を用い、のちには菅、蘭、藁でも作られたもので、編み裏表のない讃岐円座を最上とします。
讃岐円座は、讃岐の国でつくられた渦巻状に編まれた円座で、奈良時代には既に朝廷への献上物として作られていましたが、一時途絶えかけたものを、高松藩初代松平頼重が奨励して復活し、円座師葛西家が一子相伝で製法を伝えたものの、五十四代円座師葛西常良(重経)が昭和27年(1952)亡くなり途絶えました。現在復元の試みが行われています。
『茶道筌蹄』に「円座 利休形、竹の皮、讃岐円座を用てもよし」とあります。
『延喜式』に「讃岐国 菅円座」とあります。
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