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五徳蓋置

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五徳蓋置

五徳蓋置(ごとく ふたおき)とは、輪に三本の柱が立ち、その先端が内側に曲がり爪状になっている蓋置です。
五徳蓋置は、炉や風炉中に据えて釜を載せる五徳をかたどった蓋置です。
五徳蓋置は、火卓とも書き、隠家、隠架、陰架(いんか、かくれが)ともいいます。
五徳蓋置は、火舎蓋置に次ぐ格の蓋置として、台子、袋棚にも用いられますが、透木釜、釣釜を使う炉の場合や、切合の風炉の場合など、五徳を使用しない場合に用います。
五徳蓋置は、三本の爪のうちひとつだけ大きな爪がある場合は、それを主爪といいます。

『茶道筌蹄』に「五徳 開山五徳と云は紹鴎所持、台子は切懸釜ゆへ、いにしへは五徳を多く用ゆ」とあります。
『南方録』に「火卓 爪を上にしても、又下にしても用、火卓掛の炉、又は風炉に相応せず、釣釜によし」とあります。
『貞要集』に「総而蓋置を隠架と云也、此心は、水覆の内に入、台子に置候は、架に隠すと云儀なり、それを五徳の蓋置計を隠架と云は誤也」とあります。
『槐記』に「今の人五徳の蓋置の名を、カクレガと云と覚へたるは大なる僻事なり、それは五徳のふたおきと云ふ也、台子の七かざりに風炉釜水指を始として皆カネのものを用る、柄杓は柄杓立あり茶筌は茶筌のせありて、蓋置ばかりは飾り付る処なし、もろもろ荘り付けて亭主の持ち出るものはコボシばかりなり、夫故蓋置コボシの内へ入込て出るをカクレガと云、コボシの内へ入て見へざりければなり(中略)カネの蓋置をコボシへくみたるをカクレガと云からしてカネのものをカクレガと云、五徳の名にあらず」とあります。

       
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