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野根板天井

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野根板天井

野根板天井(のねいたてんじょう)は、天井の仕上げによる名称のひとつで、木材を薄く剥いだ野根板(のねいた)を張った天井のことです。
野根板天井は、椹(さわら)、鼠子(ねずこ)、杉(すぎ)などを、生木のうちに木の繊維に沿って薄く剥いだ長い片板(へぎいた)である野根板を用いたものをいい、板の長さを揃えない「乱張」(らんばり)、板の幅を揃えない「屑張」(くずばり)など、不揃いの寸法の端物の板で張ったような粗相な造りにした天井で、小丸太や竹垂木を入れ、その間に矢竹や女竹の間垂木を入れた掛込天井(かけこみてんじょう)などに用いられます。
野根板(のねいた)は、高知県の野根山で産したところからこの名があります。

『茶道筌蹄』に「天井 小座敷、網代、蒲、のね、三通なり、板天井は小座敷に不用、嵯峨西方寺の利休好は三畳の縁の上に土天井あり、光悦大虚庵は八畳の内六畳は土天井也」「かけこみ 上の板はわりのね、平手のね板は宗全このみなり、何れも竹たるきなり、すヽ竹のそりをはさみにうつは江岑このみなり」とあります。
『和泉草』に「天井昔板天井しましま板、長へぎ板などにしてかろくして、おしぶちは大形竹木にても仕候也」とあります。
『雍州府志』に「同国(土佐国)野根山所出之材、其條理直而宜割板、是称野根板、又謂長片、又方而細長者是謂月役、凡杉或檜尺余伐、之以刀割之為片板、掩屋之謂葺板、称曽木或号桁、古多出自安芸国、故庭訓称安芸桁、然京師所専用信濃国木曽山之産、佐和羅木為良」(同国野根山出る所の材、其の条理直にして板を割るに宜し、是を野根板と称し、また長片(ながへぎ)という、また方にして細長きもの是を月役(つきやく)という、凡そ杉あるいは檜を尺余に之を伐り、刀を以て之を割て片板と為し、屋を掩う、之を葺板と謂う、また曽木と称し、或は桁と号す、古多は安芸国より出し故に、庭訓に安芸桁と称す、然れども京師に専ら用る所の信濃国木曽山の産佐和羅(さわら)木を良と為す)とあります。

     
外観   間取     出入口
     
    台目構   水屋

野根天井 乱張り 屑張り

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